2015年10月25日日曜日

Requesting Permissions at Run Time

Requesting Permissions at Run Time

AndroidのエミュレーターをAndroid 6.0 (API level 23、Marshmallow)にすると、mkdir()が動作しなくなった。
また、次のようなエラーも出るようになった。
Caused by: java.lang.SecurityException: Permission Denial: reading com.android.providers.media.MediaProvider uri content://media/external/video/media from pid=2627, uid=10058 requires android.permission.READ_EXTERNAL_STORAGE, or grantUriPermission()

これは次の事情による。
Android 6.0 Changes > Runtime Permissions
Requesting Permissions at Run Time

この問題をとりあえず解決するには、そのエミュレータ(端末)の「設定」>アプリ>(開発中のアプリを選択)>Permissionsを選択し、必要とするpermissionにチェックを入れればよろしい。

でも、その程度で解決する話ではないんだよね。

6.0では実行時に、permissionの許諾を端末利用者から得ることになる。インストール時ではない。

6.0からは、従前のpermissionに対し、上位概念のpermissionが設けられた。
従前のpermisssionは、例えば、ファイル操作関係であれば次のようなものだ。
    <uses-permission android:name="android.permission.READ_EXTERNAL_STORAGE" />
AndroidManifest.xmlファイルにある、お馴染みさんである。

これに対して、6.0では、上位概念のpermissionとして、例えば、「STORAGE」が設けられた。
STORAGEは、下位に、READ_EXTERNAL_STORAGEとWRITE_EXTERNAL_STORAGEの2個のpermissionを含んでいる。
この上位-下位の関係性はSystem Permissionsの表に掲示されている。上位概念は「Permission Group」という用語で説明されている。

上述の操作「設定」>アプリ>(開発中のアプリを選択)>Permissionsにおいて表示される文字列(コマンド)は、この上位概念のpermissionである。このpermissionに許可を与えれば、READ_EXTERNAL_STORAGEとWRITE_EXTERNAL_STORAGEの2個の許可を与えたことになる(アプリが、それらを使うのであれば)。

Javaのプログラミング上では、上述の「上位概念」(Permission Group)は登場しないし、書く必要はない。引き続き、従前のpermission用語を使えば良い。

1個の下位概念のpermissionの使用に対して端末利用者の許諾を得たのであれば、その上位概念の許諾を得たことになるので、配下の他の下位概念で許諾を得る必要はない。
上位概念単位で端末利用者に許可を得ることになっている。

どのpermissionで対応すべきかは、上記のように、エラーメッセージの中に記されている。

端末利用者に許諾を得るタイミングは、permissionに関するメソッドを使用する前であれば、いつでも良い。一般的には、onCreate()において実施することになるのであろう。

留意すべきは、これは「許諾を得る」という次元の話である。
プログラムの実行時の制約は、下位概念のpermission毎に個別に異なる。例えば、readだけを使って上位概念の許諾を得ていた場合、writeの実行はできない。この場合、writeの実行時には地味なエラーになる。一旦許諾を得てしまえば、上記のような親切なエラーメッセージは何も表示されないので、何故エラーなのか悩むかもしれない。
readができるように許諾を得た後で、こそっと、その許諾に関するコードをwriteに変更したとしても、許諾関連には何も影響はない。そして、writeを実行できるようになる。

Javaのコードは、教科書Requesting Permissions at Run Timeに書かれてあるとおりである。
なお、build.gradleファイルには次のとおり追加する。
dependencies {
    compile 'com.android.support:support-v4:23.1.0'
}

    /*
    onCreate()から呼ばれる。
     */
    private boolean MyCheckPermission(){
        if(BuildConfig.DEBUG) Log.d(TAG, "MyCheckPermission()");
        int i;
        i = ContextCompat.checkSelfPermission(this, Manifest.permission.READ_EXTERNAL_STORAGE);
        if(i==PackageManager.PERMISSION_GRANTED){//既に許諾を得ている場合。
            //Android 6.0未満の場合、自動的にここに来る。バージョンによる振り分けをする必要はない。
            if(BuildConfig.DEBUG) Log.d(TAG, "MyCheckPermission() checkSelfPermission() is GRANTED");
            return true;//起動に必要な残りの処理を実行する。
        }
        //一度許諾を与えると、2度と、下記処理を行わない。
        else{//まだ許諾を得ていない場合
            boolean b;
            b = ActivityCompat.shouldShowRequestPermissionRationale(this, Manifest.permission.READ_EXTERNAL_STORAGE);
            if(b){//いきなり設定画面を表示するのではなく、permissionの必要性を(開発者の言葉で)説明する画面を表示する(任意)。
                //普通は、ここに来る。
                if(BuildConfig.DEBUG) Log.d(TAG, "MyCheckPermission() shouldShowRequestPermissionRationale is true");
                Intent it = new Intent(MainActivity.this, PermissionActivity.class);
                startActivityForResult(it, Nippon.ID_REQUEST_READ_EXTERNAL_STORAGE);
            }
            else{
                if(BuildConfig.DEBUG) Log.d(TAG, "MyCheckPermission() shouldShowRequestPermissionRationale is false");
                /*
                端末利用者が「二度とこの質問をしない」というチェックボックスにチェックしている場合、ここに来る。
                下記を実行することにより、過去の回答を自動で読み取る。画面に質問用画面を表示しない。
また、アンインストールをした後、再度インストールをした場合も、ここに来る。この場合、画面に質問用画面を表示する。
                */
                ActivityCompat.requestPermissions(
                    this,
                    new String[]{Manifest.permission.READ_EXTERNAL_STORAGE},
                    Nippon.ID_REQUEST_READ_EXTERNAL_STORAGE
                );
            }
            return false;//処理を、一旦、中断する。
        }
    }

    @Override
    protected void onActivityResult(int iRequest, int iResult, Intent it){
        if(BuildConfig.DEBUG) Log.d(TAG, "onActivityResult()");
        switch(iRequest){
        case Nippon.ID_REQUEST_READ_EXTERNAL_STORAGE:
            if(iResult==RESULT_OK){
                /*
                下記を実行するとAndroidシステム御用達の画面が表示され、READ_EXTERNAL_STORAGEを許可しますか? という趣旨の文言で聞かれる。
                端末利用者の選択結果はonRequestPermissionsResult()で受け取る。
                端末利用者が「二度とこの質問をしない」というチェックボックスにチェックすると、「拒否」しか選択できない表示になる(「承諾」を選択できない)
                アプリの運用途中で「拒否」&「2度と質問しない」をしてしまい、かつ、やっぱり気が変わって使いたいって思った場合、
                端末利用者は、手動で設定を変更しなければならない。
                */
                ActivityCompat.requestPermissions(
                    this,
                    //一度に、複数のpermissionを設定できるようにするため、配列形式になっている。
                    new String[]{Manifest.permission.READ_EXTERNAL_STORAGE},
                    Nippon.ID_REQUEST_READ_EXTERNAL_STORAGE
                );
            }
            else finish();//「戻る」キーで戻った場合
            break;
        }
        super.onActivityResult(iRequest, iResult, it);
    }

    @Override
    public void onRequestPermissionsResult(int requestCode, String permissions[], int[] grantResults) {
        switch (requestCode) {
        case Nippon.ID_REQUEST_READ_EXTERNAL_STORAGE:
            if (grantResults.length > 0
            && grantResults[0] == PackageManager.PERMISSION_GRANTED) {
                continue_onCreate();
            }
            else finish();
        }
    }

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